(古井由吉)山に行く心

古井由吉の『山に行く心』を読む。エッセイ集となっていますが、それにしても他であまり読んでこなかったような短文が集められていて新鮮なものがある。「さて、煙草はどこだ」がよかった。暗闇で吸う煙草の火の色について、水たばこを吸った経験、それにいつ…

(吉野源三郎)君たちはどう生きるか

今夜のレイトショーで映画『君たちはどう生きるか』をみる予定なので、本棚に刺さっていた未読の『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎)を持ってきました。もうずっと棚にあるのは知っていて、というかずっとあるからなんならこの本の隣が『トゥバ紀行』だっ…

(ネビル・シュート (著), 井上 勇 (翻訳))渚にて

『渚にて』(ネビル・シュート (著), 井上 勇 (翻訳))を読み終わる。核戦争後、北半球から少しずつ地球全体に放射能が拡がり迫るなか、南半球のメルボルンで過ごす人たちを描いたSF。天国大魔境にも登場してマルくんが読んでいたものです。わたし…

(小松錬平)『ルポ 鯨の海』、(松浦義雄)『科学の泉(9) 鯨』,(小松 正之)『江戸東京湾 くじらと散歩―東京湾から房総・三浦半島を訪ねて』,(田島 木綿子)『海獣学者、クジラを解剖する。~海の哺乳類の死体が教えてくれること』

昨日読み終わった『ルポ 鯨の海』(小松錬平)、『科学の泉(9) 鯨』(松浦義雄)は漁に関する内容です。前者は1973年、1944年の出版。いまと比べて50年前と戦時中の意識がどうだったのかが見えそうで、古本市で買ったまま積んでいました。『ル…

(石川博品)四人制姉妹百合物帳

とても良かった……。女子高に通う、通っていた4人(3年生2人、2年生、1年生)のサロン活動を通じた学園生活を描いた作品です。序盤から下ネタが登場するのでちょっと面食らうんですが、何というかそれが力技で面白がらせるだけのネタじゃなくて、この学…

(徳田秋声)あらくれ/新世帯

「あらくれ」は主人公が暮らしを転々としていきながら世を生き抜いていく姿を描いており、「新世帯」も同様の読み心地なんですが、こちらはあくまで一つの世帯のその土地での暮らしの一部を切り取ったものになっています。前者が物理的に移動をし続けている一…

(古井由吉)女たちの家

『女たちの家』(古井由吉)を読み終わりました。『櫛の火』につづいて手元にあった古井由吉の長編として読みました。面白かったです。両親と兄二人に妹の家族。両親と姉妹に弟の家族。それぞれの妹と弟を主軸に描かれる人間関係が『女たちの家』というタイト…

(古井由吉)櫛の火

『櫛の火』(古井由吉)を読み進める。そういえば古井由吉の長編作品は初めてかもしれない。いや、短編連作も似たようなものといえばそうなんですが。とにかく陰鬱な、粘っこい男女関係とその周辺を描いているので少し気分にもそういう影響をしている気がして…

(古井由吉)雪の下の蟹/男たちの円居

古井由吉の『雪の下の蟹/男たちの円居』を読み始める。短編集で、表題の雪の下の蟹はアンソロジーか何かで読んだと思っていたんですが、読み進めるうちに初読っぽいことに気づいて記憶力のあてにならなさにたははってなったね。1963年1月の北陸大豪雪を…

(町田康)私の文学史: なぜ俺はこんな人間になったのか?

小説、随筆、詩を書いている町田康が自分語りをすることになった講演を取りまとめた本です。本との出会いから原体験、パンクバンドINUとしてのデビュー、詩人、小説家としての文体について、古典との関係などをすごく平易な話で語ってくれるのでとても読み…

(佐藤泰志)きみの鳥はうたえる

収録の「草の響き」を読む。この作品を映画化したものを昨年みてめちゃくちゃくらったんですが(BDも買った)、原作をこれまで読んでいませんでした。具合のよくない今ではありますが、逆に今読まないといつ読むんだ?という感じもあり手に取りました。心を…