(西 成彦)バイリンガルな夢と憂鬱

『バイリンガルな夢と憂鬱』(西 成彦)を読み終わった。複数言語を使用する状況のなかにはそれを余儀なくされている場合があること、そしてそのとき、作品のなかでその多言語世界がどのように書き込まれているのかを主にアイヌ語、台湾諸語、朝鮮語と日本語…

(呉叡人 (著), 駒込 武 (訳))台湾、あるいは孤立無援の島の思想

台湾におけるアイデンティティの統合(ナショナリズム)と多元的民主主義のジレンマをどのようにバランスをとるのか、それを中国、日本、アメリカの政治的、経済的影響力のなかで、しかも国際的な国家の承認を得られていない状況のなかで……という、台湾民族…

(山尾悠子(編集))山尾悠子偏愛アンソロジー 構造と美文

『山尾悠子偏愛アンソロジー 構造と美文』を読み終わった。山尾悠子と言えば『飛ぶ孔雀』の冒頭が本当にすごく好きで、今回の本が出たときもそれを思い出して買いました。シブレ山の石切り場で事故があって、火は燃え難くなった。大人たちがそう言うのを聞い…

(真木 悠介)自我の起原: 愛とエゴイズムの動物社会学

皇と王たちという中世の二重権力がやがて権力一般の相対化に向かうダイナミズムを生むように、生成子と個という目的論の二重化がテレオノミーの相対化に向かうダイナミズムを生む。(略)どの他者もわれわれの個としての生の目的を決定しないし、どの他者もわ…

(真木 悠介)気流の鳴る音―交響するコミューン

『気流の鳴る音―交響するコミューン』(真木 悠介)を読み終わった。おもしろかったです。普段は外(インターネットの外のことです)で本の話をほとんどしないので人の紹介で手に取ることもあまりないんですが、今回ずっと名前を知りつつ読めていなかったの…

(古井由吉)裸々虫記

『裸々虫記』(古井由吉)を読んでいます。2025年の秋アニメは白泉社ララーンのシーズンだった(←そういうCMがあり、そして白泉社原作のアニメが良かった)ことを思い出しながら本棚から手に取った。『山騒賦』を出した頃のエッセイをまとめたものです…

(藤本和子)リチャード・ブローティガン

堂々と生きて、あたふたと急いで生きて、わたしたちは自分の名さえときに思い出せなくなる。そういうときにでも、気に染むことと染まないことの区別をなんらかの一貫性をもって持続させたい。気に染むことのなかには、自律的な態度、すべての人間に対する敬意…

(ハン・ガン (著), 斎藤真理子 (翻訳))すべての、白いものたちの

しろいイメージが全体に漂う、ぼんやりとやわらかい散文のような文章。具体的な映像が浮かぶようでありながらどこかとりこぼしのあるようなエピソードがならび、その第2章を読み終わるころ読んでいるその視点がきゅっとする瞬間があって、そのまま少しページ…

(渡辺 浩)たとえば「自由」はリバティか

日本に西洋の概念が入ってきたときに普及することとなった「自由」「権利」「法」「自然」「公/私」「社会」といった言葉について、主に英/仏/独といった西洋の言語と中国語(漢字)、日本語を比較しながら、翻訳語の遷移やその意図をたどる本です。そうい…