古井由吉の『山に行く心』を読む。エッセイ集となっていますが、それにしても他であまり読んでこなかったような短文が集められていて新鮮なものがある。「さて、煙草はどこだ」がよかった。暗闇で吸う煙草の火の色について、水たばこを吸った経験、それにいつもの競馬の話題に持ってっいくようなわりと何ということもないものなんですけど、本巻序盤にあるような古井由吉の小説とエッセイの間の子みたいな紀行文のあとにこういう文章が入ってくると読み心地がよくて安心するぜ。あと映画に触れるところもあまりみたことなかった気がする。煙草の話のなかでヒッチコックの「裏窓」について書いています。とここまで書いて、『東京物語考』の導入がそのまま小津安二郎の東京物語だったこと思い出した。あとわたしはずっと煙草に興味があるままここまできたところあるんですが、また一歩近づいた気がする(それにしても踏ん切りまでまだ遠いが……)。
(追記)
『山に行く心』(古井由吉)を読み終わった。他の雑文集に比べて紀行文が多い前半が特によかったな。小説にも出てくるようなある瞬間をじんねりと描き切る形で旅先の体験や会話の記録が流れていて、これだけで一つの作品として完成してる。中盤はいつもの競馬の話題。そして後半はこれまでにはあまりみたことないどちらかというと俗っぽい話題の雑誌から引っ張ってきた文章。こういうことも書くんだ~くらいで読んでいました。やっぱり煙草の話が一番良かったかも。
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