『優しい地獄』(イリナ・グリゴレ)を読み始めました。今は三分の一くらい読んだところ。ルーマニア出身の著者によるエッセイです。幼少期の村での祖父母との生活、両親との町での暮らし、そしてブカレストでの思い出と現在の弘前や東京での出来事が結びついて往還するような内容で、文中にも度々登場する『惑星ソラリス』をどことなく連想する。
「一緒に日本酒を飲んで、さもだし清水森ナンバ(青森のとうがらしを使ったキノコの南蛮漬け)を食べて、映像を撮り、死を待つ。」という一文に登場する”さもだし清水森ナンバ”っていう単語が気になって、ここに添えられた括弧書きのおかげでそれがどういう食べ物かというのはなんとなくわかるんですが、「さもだし清水森ナンバ」っていう単語のどの部分が何を意味するのか、どこまでが一括りの言葉なのかがぱっと掴めないんだよな。不思議な言葉だ……。
インターネットによると「清水森ナンバ」を入れた「さもだし」の南蛮漬があるらしい。「さもだし」はナラタケのこと。そして「清水森ナンバ」は当時の津軽藩主が京都の伏見稲荷から持ち帰ったという400年以上の歴史があるとうがらしのこと。「清水森」は弘前市にある地名で、「ナンバ」は津軽における唐辛子の呼び方のこと。つまり「さもだし清水森ナンバ」は、”ナラタケと唐辛子の南蛮漬け”ということで、これは文中にある説明そのものだった。なるほどね。
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