ユリシーズ

『ユリシーズ』をみました。よかった……。宇和川輝監督の長編デビュー作。わたしは先日みた映画 めちゃくちゃ面白かった映画、『トレンケ・ラウケン』の予告編を制作されたのが同氏だというのを当時ツイッターでみて知りました。

あの迷宮みたいな映画の映像と音声を細かく切って組み合わせて1分50秒に凝縮したこの予告編がわたしは好きで何度もみていました。

『ユリシーズ』はマドリード、バスク地方のサン・セバスチャン、そして岡山県真庭市を舞台に、3つのパートが接続した映画です。生まれる前から父が外国に行っている親子、父の思い出を語る友人、そして祖父の亡くなったあとのお盆の様子を、ゆっくりと時間を使ってカメラがおさめています。不在に関する話題は、その不在自体ではなくてその周りの人たちの姿の仕草が捉えられている。これは記録だったのかもしれない。友人を読んだパーティのダンス、画面の奥で風に吹かれたビニール袋に目を取られる瞬間、それに散歩道を歩く祖母。それぞれのパート間に直接の接続はないものの、雨の日の車内の会話や、軒先で座り込んだ会話、時間の流れの緩急が心地よい。和室で一人、お盆の支度を片付ける祖母がカメラの方に近づき、「提灯も一つしまいますよ」って誰にとはなく声をかけて作業をする場面がよかった。そういうリズムがある。

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