『ストレンジ・フィクションズ vol.5【特集】批評:アニメの中を語りたい』を読み終わった。表紙は映画『テレビの中に入りたい』の日本版ポスターをオマージュした鈴木りつ氏によるイラストでとてもよいです。

昨今わたしのタイムライン外のインターネット(わたしのインターネットはほぼタイムライン内で完結してしまている)でも(アニメ)批評があれこれ取り沙汰されていた記憶があり、それとは距離をとっていたんですが、この本はストレンジ・フィクションズによるアニメ批評特集です。ここからアニメ批評特集が出ることあるんだって気になりすぐに購入しました。
千葉集氏「『ズートピア2』の物語を読む」ではズートピア2の物語を詳細にたどることで、そのテーマ「異なる他者との共存」がいかにソリッドな積み重ねにより描かれているのかを読みます。最近こういう文章をあまり読んでいなかったけど、ディズニー作品の徹底した(執拗な)描写をこうやってなぞることで(映画でみたことの反復であっても、それをちゃんと文章として残してくれたものを読むことで)得られるものはやっぱりあって、少なくともこの文章の結びをみてふふっとなる感覚を得た。
氏のブログには『不要な続編に必要な物語の作りかた:『ズートピア2』について』という、この続編がつくられた9年間と8ヶ月に思いをはせる記事があります。ところで先日上映された2作目がとてもよかった羅小黒戦記も1作目から早5年半前になるって本当ですか?
そのほか、織戸久貴の「あなたを束ねないでー『色づく世界の明日から』『白い砂のアクアトープ』『不思議の国でアリスと』三部作における「物語」と歩む方法論」もよかった。
わたしは主人公たちが仕事のなかで(最後には解消されるとわかっていても)気持ちが曇る場面をしっかりと描かれているのをみたくなくてP.A.WORKSの作品から離れてしまっており、『不思議の国でアリスと』もTVアニメの合間に流れるCMでは主人公の就活がうまく行かない場面が描かれていたこともあってそのまま映画もみていなかったんだよな。そしてこの本を読んで、先に書いた部分が完全に色眼鏡でみてしまっていた可能性が高いことが判明しました。「物語化の誘惑の内側で、個人を完全に物語にしない語り方、他者を終わらせないための物語を模索」する過程としてP.A.WORKS作品をみることができるんだ。わたしの勝手に持っていた印象と真逆すぎて、かなり読んで良かった内容でした。……チー付与がP.A.WORKSでアニメ化!?
コメントを残す