(週末翻訳クラブ・バベルうお)BABELZINE Vol. 4

『BABELZINE Vol. 4』(週末翻訳クラブ・バベルうお)を読み始めました。労働のお昼休憩の時間に手にとって、「CRISPRの手引き」(MKRNYILGLD、訳 白川眞)を読み終えたところ。第二章を読み終えて、最後の一文がかなり頭に刺さった。それはそれまでこの文章と読者の距離間(あるいは社会と、作品世界の読者と、実際の読者の感覚)がすごくうまく設定されていたことに依るものだと思うんですが、とにかく労働の合間の精神が硬直した時間、午後にやらなきゃいけないことをぼんやり考えながら、残りの半分の頭であと少ししたら仮眠をしようとか思いながら読んでいたときに、その落差に引っ張られてしまった。休憩時間があと20分で終わるのを確認しつつ、著者のツイッターアカウントを検索して、そこでリツイートされている記事に第二章の原文が掲載されていたのでそれをスマホで開いてBabel Zineと並べながらもう一度読み返していたらお昼の時間が終わった。

(2025年7月19日追記)

『BABELZINE』 Vol. 4を読んだ。先週の日記に書いた「CRISPRの手引き」(MKRNYILGLD、白川眞/訳)のほかに特に好みだったのは「無常の法則」(ケネス・シュナイヤー、鯨井久志/訳)です。書かれたテキストの内容が、誰にもみられない時間を経過するうちに変容してしまう世界のお話。この世界には文章の変容を防ぐための仕組みや手法があり、そのうえで人為的な(ファイルの取り違え!)ミスは当然のように発生し、そのときオリジナルの遺言が失われた相続人たちがお互い折り合うことができたのは……という内容です。彼らが読んだとされる、(短編中にいくつか挟み込まれた)彼らにとって先祖にあたる人物の出した重要な手紙のバリエーションは、作中冒頭掲載のバージョンから末尾のバージョンに至ってその意味が大きく変わるものになっていて、ただ、そのいずれを読んだにせよ、彼らは納得して思慮のある、、、、、合意に至ったという。おもしろいのはこの作品テキスト自体、実際の歴史上の人物やそのエピソードが史実と変容する形で散りばめられており、それを読むわたしも、そうなったならそうなんだよなと納得をせざるを得ない(そうか?)ものになっているんだよな。おもしろかったです。

その他、「すずめ」、「触腕の都市」もそれぞれ水没した終末世界や行き詰まった生活の中で、文章を残すこと、物語を語ることについて描いたもので好みでした。

2025年7月11日

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