ぼくら、20世紀の子どもたち

『ぼくら、20世紀の子どもたち』をみました。よかった……。ヴィターリー・カネフスキー監督作。ソ連解体直後のロシアでストリートチルドレンたちとのやりとりを撮影したドキュメンタリーです。

10歳にもならない子どもたちが笑顔でタバコを吸い、窃盗エピソードを話しているインタビューからはじまります。パワーがある。聞き手である監督自身かなり距離感が近いというか、児童施設の職員みたいな感じで子どもたちに接している様子が映っている。インタビュー対象者たちにいつも「歌って!」って言って歌わせていて、それが場面のつなぎに使われている。途中からインタビュー対象の年齢が上がり、10代も後半になった面々を刑務所の中で撮影する場面があり、ここでも格子の向こう側の相手とフレンドリーなやりとりを交わしながら、そのやりとりに出てくるのは服役することになったきっかけや、自分の行った殺人の瞬間のことを聞き出すんですが、ここで殺人ネタでいじるのは凄すぎる(「首締めはこの子が詳しいぞ!」は一線超えてるよ〜ってみてたけど雰囲気はぜんぜん良いんだよな)。

そしてそこで格子の向こうに登場するのが先日みた過去作品『動くな、死ね、甦れ!』『ひとりで生きる』で主演をしていたパーヴェル・ナザーロフです。子ども時代に監督の映画に出て以降どうやって暮らしていたのか、逮捕されるまでのいきさつなんかを話したあと、別の日、同じく主演をしていたディナーラ・ドルカーロワを刑務所につれてきて対面させる場面があります。

このあたりは刑務所の中でのギター演奏等、かなり演出が多そうな印象ではある。それでも、二人が並んで施設の中を歩いているシーンでも音声がアフレコで被せられていてその映像自体からは何を話しているのか聞こえないけど、子ども時代に映画で共演したふたりが大人になりつつある時期に再会した様子が、どこか楽しげに顔を見合わせて話しているところがとてもよかった。この映画はこの場面が撮りたかったんだろうなっていう感じがある。ドキュメンタリーって演出過多な印象が出るとウッとなることあるんですけど、これはそうはならない。おもしろかったという以上に、こんな映画ありなんだ……っていう感じがした(『動くな…』のときも同じこと思ったかも)。

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