『ジェイ・ケリー』をみました。とても良かった……。
円熟の映画スター、ジェイ・ケリーが友人の死や子どもの独り立ちをきっかけに自分の人生を振り返ろうとしたり、しなかったりする話。内省的な動機で突入したスーパースターによる娘の卒業旅行追いかけツアーは、献身的なマネージャーであるロンをはじめスタッフメンバーがぞろぞろとついて来るドタバタ珍道中へ突入。
少し前にやっていたニコラス・ケイジ主演の『マッシブ・タレント』は(落ちぶれた)レジェンド俳優を題材にしたもので、ふとしたきっかけにより友情を見出していくドタバタおもしろコメディだったんですが、本作『ジェイ・ケリー』の主演はジョージ・クルーニー。それによって(?)年齢や家族関係のうまく行かなさや孤独感といった影をちらつかせながらも、どうしようもなくスーパースターであってしまう、いや、もっというとスーパースターであり続けようとしてしまう姿が演じられていて、その中にこそ孤独感や悲哀がにじんでいるんだよな。
ドタバタ劇の合間の疲れ切った姿で演じられる会話のなかで急に「永遠なんてあるのか?」ってセリフが突っ込まれたかと思えばそのまま愛嬌振りまくスーパースターモードに突入したりする。役を演じるだけではなくスーパースターも演じてしまうジェイ・ケリーのあり方をジェイ・ケリー自身が旅の中で自分の過去の記憶と向き合いながら内省をしていくんですが、本当にこの役をジョージ・クルーニーが演じているからこそ生まれるものってあるよな、、、となってしまう魅力のある映画だった。
映画撮影の場面の印象的な長回しから始まって、みんなで客席からスクリーンを眺める場面で終わるっていう映画としての建付けが完璧だったのも良い。人生を映画に例えることって往々にしてよくあると思うし、自分の内面のなさを役を演じることに例えることもよく目にするものだとは思うんですが、そのあたりについて衒いなくやってしまうこの映画の愛嬌がわたしは好きです。ジェイ・ケリー自身がみているスクリーンのなかに自分の人生を幻視ししていますからね。とてもおもしろかったです。12月初めからNetflixで配信開始らしいです。おすすめです。
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