冰剣の魔術師が世界を統べる

―――世界最強と謳われる“冰剣(ひょうけん)の魔術師”――― その称号を受け継いだ少年・レイ=ホワイトは強大すぎる自身の力に苦悩し、極東戦役を収めたのを最後に、深い心の傷と共に戦場から姿を消した……。 時は流れ、3年後。 世界中からエリート魔術師が集まるアーノルド魔術学院に入学したレイ。学院始まって以来、初めての一般家庭出身(オーディナリー)である彼を待っていたのは、貴族出身の魔術師からの侮辱と軽蔑の眼差し。そして、学院で出会ったかけがのない仲間をも巻き込む数々の陰謀だった。 今、最強魔術師の友情と波乱に満ちた学園生活が幕を開ける。公式サイト

台詞回しにテンポに、劇伴に、キャラクターの全部がはまってる、めちゃくちゃ好き……(←1話視聴時のツイートです)。あらすじ読まなくても作品をみれば身体で良さがわかる、そういうタイプのアニメーションです。台詞回しは独特で、ときめきトゥナイト、ピンクスパイダーはじめ、パロディネタは縦横無尽、さらにエンディングテーマを流しながら次回予告を突っ込む大技。今年の頭から大暴れした作品が『氷剣の魔術師が世界を統べる』でした。

何というか展開のリズムだけじゃなくて、冰剣のセリフってそのセリフ自体のリズムや間もかなり気持ちいいんですよね。これは言い回しもそうなんですが、間がけっこう詰められている初期のVtuber動画的なところもあるし、例えですがめちゃくちゃ音ハメがうまい動画っぽいというか。パロディーシーンが多いのもそういう印象を強くしているところがありそう。エンディングのアウトロを流しながら次回予告をするのも同じ目でみるとやっぱりテンポ感というか、つなぎの滑らかさなんだよな。とても良いです。

とにかくアニメがうますぎる。これは昨年の『不徳のギルド』でも同じことを言った気がする。こういうアニメが続けて出てくるとアニメの豊かさを感じるぜ(何?)。それはそれとして、上に貼った動画はPVにちょうどよく冰剣のおもしろさを表現した映像がなかったので、予告編を載せています。レイのこの間合いよね。

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クールがホットになってしまうな

特に印象に残っているのは5話。過去回想の効果が抜群でした。回想では師匠に拾われて冰剣として修行を積んだ過程ではなく、拾われてから生まれた仲間との関係のことを丁寧に描いていて、その回想からふと目を覚ますと、その相手が二人、今のあたらしい関係の中で見守っていてくれている場面。そこに入れ違いで学園生活でできた新しい仲間、それにミスターアリウムもといアルバートが登場します。ここでアルバートのレイに対する「なぜそこまで強く、真っ直ぐ生きることができるんだ」ってセリフなんだよな。強さにこだわるアルバートが”まっすぐ生きる”ことを口に出せるところが、もうそれだけで成長だよ……ってちょっと泣きそうになっちゃった。陰の主人公はアルバートだよ。先に大暴れした作品って書いたけど、大暴れはこの作品のアトリビュートにすぎないんだよな。それは冰剣を象徴するものであって、『冰剣の魔術師が世界を統べる』の本質は友人関係、成長、そういったことをていねいに描いているところにある。

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