あたたかい布団 ーReport Archivesー
フィリピン、マニラにある古いレストランの客席を舞台に2人の男性が過ごす90分間のワンシチュエーションものです。大学教師であるエリクソンと教え子であるランスロット、そして不在のエリクソンの恋人マルコスの関係が落ち着いた雰囲気で語られていき、気づけば互いに隠していた部分が明らかとなっていく。相手に対して自分自身をこう見せたい、という意識をちゃんと持った登場人物たちの落ち着いたやりとりから、気づけば個人・世代間のギャップが浮き彫りになっている会話劇がうまい。
冒頭、車内のシーンで目元を気にしてコンシーラーを取り出す場面から始まり、久々に再開した2人の会話は英語が7割フィリピン(タガログ語)が3割ほどの割合で混じり合いながら交わされていることだったり、言語の扱いやセクシュアリティ、グルーミング、自意識といった作品全体のテーマを最初からすっと見せてくるのもうまいんですが、不在のマルコスをエリックとランスそれぞれの役者が互いに演じあう回想が挟まれることで見る人によってその人の捉え方が変わることを視覚的に出してくるんですよね。このつなぎに眼鏡をかける動作が入るのがまた良いんだよな(いやらしくないおしゃれさがある!)。
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