『つくもごみ』(panpanya)を読んだ。

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『つくもごみ』に折り込まれている物体として最適すぎて、最初みたときは作品の演出かと思った。どうやら最近の紙媒体漫画には封入されていることが多いみたい。そういえばもう漫画に関しては電子版ばかり買うようになっているな……。
氏の作品はこれまでもカバーや表紙がこだわり素材になっていてましたが、本作ではカバーの紙に木綿が漉き込まれているとのことです。卵の殻みたいな絶妙な風合いになっていて、やはりフィジカルで揃えておきたいと思わせるものになっているんですが、そういう作品のなかにrfタグが織り込まれていると、これも電子版にはないんだよな、みたいな謎の感慨が生まれて取っておきたくなってしまいます。わたしはなった。
これまで以上に最後にぐっとこさせる一コマが置かれている印象の単行本だった。収録作の中では「行き掛り」、「パイナップルをご存知ない」、「渡り鳥の季節」が特に好みです。
ガス欠寸前でなんとか滑り込んだガソリンスタンドは、営業中のようだけど店員がおらず、気づけば他に急ぎの客もきてしまったので何となく店番をすることになって……というあらすじの「行き掛り」。善意というにも頼りないような、そういう何気ない、必要と必要の間でうまれる仕組みが立ち上がって消えていく瞬間が心地よい。
『パイナップルはどのように生えているのか?』という疑問に答えるため、パイナップルの種を取り出そうとしたところ種がどこにもない。生産地はラベルが不明瞭で辿れない。こうなったときに、パイン(松ぼっくり)とアップル(りんご)の掛け合わせからその疑問に挑んでいく短編が「パイナップルをご存じない」です。氏の過去作「グヤバノ・ホリデー」は未知のフルーツ、グヤバノを求めてフィリピンまで旅立つ紀行文で、その異文化感が氏の世界観と絶妙にマッチしていた名作でしたが、本作ではともすれば読者にとっても既知のフルーツ、パイナップルを未知のものと仮定して、既知の手法で追いかけていくねじれが楽しい。
「渡り鳥の季節」は季節の移り変わり、歳月の移り変わりを描いた名作です。
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