やっぱり紙で買ってしまう。表紙の質感だとか、見返しの色だとか現物で触りたくなってしまうんだよな、panpanya作品はな、と思って棚をチラ見したらもう8作目でちょっとびっくりしました。いやそれくらい経ってるのか……。時間経過の外にあるような作品群がコンスタントに出され続けてるのがうれしいね。
収録されている「続・カステラ風蒸しケーキ物語」「続続・カステラ風蒸しケーキ物語」「続続続・カステラ風蒸しケーキ物語」「続続続・カステラ風蒸しケーキ物語 補遺」「続続続続・カステラ風蒸しケーキ物語」とシリーズ化されたコンビニのおいしい菓子パンシリーズがあまりに美しい終着(終わりではない)を迎えていて、主人公と同じタイミングでわたしもすこしだけ涙が出てしまいました。
出会ってしまったおいしい菓子パンの売り場を探すなかで「お客様相談窓口」に最新の取扱店を電話で確認する、っていうところでもうすでに日常でありながら一歩その裏側に入り込んでいるんですが、その菓子パンが生産を終了したことで自作に進むこと、そのなかでカステラ、蒸しケーキ、台湾カステラ等の知識が深まり(略)最後にまたヤマザキショップの仕組みが出てきて……。やむにやまれず日常から一歩踏み込んだ場所を描きながら、最後にそれがまた日常に跳ね返ってくるのが本当に良い。こんな世界観(?)にマッチしつつもシリーズエッセイみたいになったものをまとめて読めるのがうれしくて、本当に単行本化されて良かった……となりました。
(追記)2022.12.27


以前ツイッターで行われていた「楽園」コミックス企画に当選して、panpanya先生の『魚社会』(韓国語版)が届いていました。ウオオうれしすぎる……!

これは「「楽園」ご紹介漫画」の背景に描かれた楽園執筆陣のお名前や作品名がハングルになっている良すぎる頁です。


雑記もコマ内のオノマトペも、判読できる文字はアルファベット以外全部ハングルに置き換えられていて、海外出版コミック読んだことないけどここまで徹底してやるんだ……となった(それはそう)。それにしてもpanpanya作品とハングルの相性の良さがめちゃくちゃ良い。ただこれはわたしがハングルを読めないからそのデザインで言ってしまっているところがあって、そこはちょっと小さくならないといけないです。ちゃんと読めればそういう異化もないかもしれない。でもこの目次のなかで、”続”と”カステラ風蒸しケーキ物語”と”補遺”の部分は今のわたしでもわかるぜ。
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