Sweet Mambo

ヴッパタール舞踊団の『Sweet Mambo』をみました。とてもよかった……。舞踊団を率いたピナ・バウシュが晩年に手掛けた作品をその初演時のダンサーたちが再び集って踊るということで、とはいえわたしは生で初めてみる(コンテンポラリーダンス(か?)をみるのも初めて)のでそのあたりのところは一歩ひいたところにいたつもりだったんですが、そんなのぜんぜん関係ないくらい引き込まれるような内容だった。舞台に立つ10人それぞれが際立っていた。

それは「わたしは、ナオミ。悩み、じゃないよ。ナオミ。わすれないで」といったように、ところどころでダンサーそれぞれが少し自己紹介をしたあとに「忘れないで」と日本語で話すことが繰り返し挿入されていたのもある。

あるいは誰かに呼ばれて駆け寄ろうとするのを押し止められるような場面、『一人のダンサーとその脇を2人が挟んで歩き、途中で2人が振り返り一人を脇に抱えて最初の場所に連れ戻す、「Let me go !」という叫び声が入る。それを何度も何度も繰り返す』振り付けだったり、自身の耳、鼻、等々に触れては父の名前、母の名前、祖父、祖母の名前を話す振り付け。あるいは、ダンサーの名前(”JULIE”等)をいろは歌のようにして日本語と英語を混ぜた単語で相手を褒める場面、舞台に下げられたシーツに包まって隠れるような遊ぶような場面だったりという、具体的な何かの記憶ではないが誰か個人の記憶にあった、そして自分の記憶にも似たようなことがあったことを連想させるような振り付けが続いていたからかもしれない。

マイクでの発話だけではなく、地声の叫び声も多い。コンテンポラリーダンスってもっとコンセプチュアルなものを勝手に想像していたので、それはヴッパタール舞踊団が「タンツテアター」ということでダンスと演劇の共生を図っているということでもあるんですが、その振り付けや動き、それに発話がこんな具体的な何かを指示/連想させるようなこともできるんだ、それがかなり個人的な感覚に迫るようなものになっていてすごかった。

それとこれは蛇足ですが、春先にDVDで『Pina』をみていたんですが、そのなかで流れていた曲「Bahamut」が流れ出したときは場面の盛り上がりも含めてウオオとなった。

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