『新装版 吉本隆明『共同幻想論』の読み方』(宇田亮一)を読み終わりました。第1章、第2章で吉本隆明の『共同幻想論』の概要を描いてくれて、これがすごく丁寧で読みやすい。とはいえそもそもの大著を説明してくれる本についてここで改めてまとめても、というかまとめることはできない(理解できていない)のでシンプルなこの本の感想だけ残しておきます。同じことを何度も言ってくれる入門書はやさしいから助かるぜ。読んでいるうちに、原著を読んだときに理解できないままだった単語が続々と登場して、(おっこれも、これもあのときわからなかったやつだ!)ってなってちょっとおもしろいです。そして第3章では共同幻想論の各章ごとに解説をしてくれるんですが、ここからはちょっとわかるんだけどかなり概略にとどまっているというか、特に「母制論」や「対幻想論」のあたりはもっと踏み込んでほしいところをサラッと流している感じで、このあたりはそう……となりました。第4章に入ると吉本隆明の思想について著者の理解、見方をどしどし説明してくれます。これはわたしの理解が追いついていないからなんですが、このあたりも本当に……?って気になってしまうところもあったりして、そういう感じでした。今のわたしには特に第2章をもう一度読んで、そのあとはもう少し踏み込んだ入門書を読んで、またここに立ち返るくらいがちょうどよい気がする。
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