海とお月さまたち

『水俣 ― 患者さんとその世界』(1971)以来、水俣に生きる人々を幾多の映像に描いてきた土本典昭監督が、児童向けに、海の潮の流れを支配する月と、その潮の流れを読んで漁をする漁師たち、そして不知火海に生きる様々な魚たちを詩的に描いた映像ファンタジー。山形国際ドキュメンタリー映画祭

Youtubeで配信されている『海とお月さまたち』をみた。先日読んだ『他なる映画と 2』(濱口竜介)でも触れられているドキュメンタリーです。いか釣り、鯛釣りの名人に密着しながら、春から初夏にかけての漁を描いたもの。冒頭に映る疑似餌をつくる名人と周りを囲む子どもたちの場面がとても良いです。何をやっているのかを子どもたちの質問に応えるかたちで説明をしてくれる(おそらく)演出の効いた場面なんですが、すごく自然で良いです。自然というのは話が実際に行われているようだという意味ではなくて、映像と音声は明らかに別のものを繋げてあるんですが、子どもたちが関心を持って質問をしている様子と、その音声がなぜか違和感なく併置されていてするする頭に入ってくるんだよな。すごい。

今回この映画を配信でみたのにはもうひとつ理由があって、昨日、海の博物館でみた展示の一つに”タイを釣る”というのがあったんですね。

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海の博物館の展示についたキャプションは以下のようになっていました。

漁師の中でも釣りの名人といわれる人がいる。「タイが寄ってくると、釣り針につけたエビがふるえる」のがわかるという。名人は潮の満ち引き、海底の様子、魚のくる季節をすべて知っている。そして、道具を自分で作り、魚にあった餌を正確に選ぶ。すごい技術だ。

これをみて先に読んだ本のこの映画のことを思い出したことを、今日日記に書いていて思い出したので配信をみたという流れです。このキャプションで書かれていることってそのまま映画の内容過ぎていま手打ちしててちょっとびっくりしました。

あとは今日寝る前にみたアニメmonoのなかに凧揚げのシーンがあって、そのときの手の動き、左手を少し持ち上げて右手は糸を掴みながら力を探る様子がこの映画に出てくる鯛釣り名人と同じ姿勢でウオオとなった場面がありました。

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