『東京公園』をみた。ラブコメのようなBGM、登場人物の設定で、いやラブコメなんですけど、死や十字架のモチーフがそこかしこにあって、そのわりにあっさり進んでいく感じだった。原作に小説があるからもともとそういう話だったのかもしれない。
主人公はカメラをやっていていわゆるスナップ写真というか、公園で家族の写真を撮ったりしているんですが、冒頭でちゃんと声掛けをしている場面をいれてエクスキューズしていてよかった。わたしも写真は記録に撮るほうですが、人に向けて撮ろうとするのは無理で、写るのもどうしても苦手で、だけど商店街だとよく写真を撮っている人がいるので不意にいま写り込んでしまった気がする!ってうわってなるときもあって、あります。
それで、幼馴染が主人公にたいして、お互いに好意をもっているはずの異母姉とちゃんと正面から向き合いなさいよ!って檄を飛ばすやりとりがあって、その姉のところにいって写真を撮るんですよね。姉もモデルとして写るんですが、そのカメラは主人公の母のもので、姉は主人公がその母を無意識に意識していることに気づいていて、そのカメラで撮られることにすごく複雑なところがあるはずで、それで途中からそういう仕草が出てくるんですが、その上でなお、カメラを構えて主人公が近づき続ける場面の(いいかたがよくないんですが)いやな感じがすごかった。しかもその場面のあとそのまま向き合いながら良い感じの雰囲気になるの本当か!?って思った。画面としてはすごくよかったんですけど、個人的な感覚が前に出てきてしまった。相手を正面からみる、っていう場合に画面の中で登場人物が正面から映るっていうのはユリイカのログハウスで再会する場面をちょっと思い出しました。
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