6歳の少女アナはフランコ独占政権下のスペインの小さな村に父、母、姉と暮らしていた。ある日、巡回上映で観た『フランケンシュタイン』に魅せられて、呼びかければ出てきてくれる精霊の存在を信じ、探し始める。姉が見つけた廃屋に精霊の存在を感じて通う日々の中、逃亡中の内戦の兵士に出会い、食べ物や着るものを運ぶのだったが・・・。ビクトル・エリセ監督の記念すべき繊細なデビュー作。 配給元サイト
アナの眼の良さも、舞台のベッド等調度品の良さも、そもそも画面の良さもあるんですが、それ以上にやっぱりとにかく衣装がはちゃめちゃにかわいい。部屋着のふわふわの服がよくて、そこから外へ、廃屋に向かうときはその上に一枚ウールのポンチョみたいなものを羽織って、革の鞄を持つ姿が本当によくて、これは少し大人びたというか、子どもなんだけど少し逸脱した魅力が湧いてくるんだよな。長い尺を取った静かな画面に展開、そのなかで描かれるのは子どもの頃にだけ見える世界で、最後の夜、アナが精霊に語りかけるところはすごくこの小さな人間個人のコアというか、大事な部分が描かれているようでめちゃくちゃぐっときました。成長とかそういうのじゃなくて、こういうのってあるんだって思った。とてもよかったです。
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