ザ・キラー


『ザ・キラー』をみました。とても良かった……。

ある夜のパリ。目立たない服に身を包み、空きオフィスの一室から向かいの高級アパートに住むターゲットを狙う暗殺者 (マイケル・ファスベンダー)。ライフルを手に、仕事を確実にやり遂げるため、落ち着いて計画通りにあらゆる段階を進めていく。
ところが、ニアミスが発生。
暗殺者は常に心の中で繰り返している言葉の通り、冷静な行動で逃亡する。しかし雇用主が望むのは彼の死。自宅を襲われ、安息の場所を奪われ、自分を見失いそうになりながら、彼は抗う。ようやく手に入れた安らぎを乱す者は2度と許さない…! ドミニカ共和国と米国を股に掛けた、決死の追跡劇が幕を開ける。 公式サイト

タイトルやあらすじのとおり殺し屋の映画で、それでもちょっと思ってた感じとちがってそれがよかった。主人公が常に自分に言い聞かせ言葉、「計画通りにやれ」「予測しろ」「即興はよせ」「自問しろ”これで何が得られるか”」「感情移入するな」のとおり、派手さもなくドタバタアクション(たとえばブレット・トレインみたいな)を期待すると肩透かしになるかもしれないです。淡々と仕事をして、それなのにハプニングが起こり、それに淡々と対応し、またハプニングが起こり……主人公は自分に言い聞かせたとおりにやっているのに徐々にやつれていくんだよな。そしてそのまま最後までいく。結局世界も、自分自身も、どうなるかは横においてそうやっていくしかないんだよなっていう、こういう滋味のある作品だって思ってなかったので良~となりました。

作中で主人公が聴いている音楽としてザ・スミスの曲が何曲も登場するのもよかった。この場合のよかったというのは、(わたし自身ザ・スミスをあまり聴いているファンではないという目線かもですが、)なんというか映画に登場するザ・スミスって(500日)のサマーみたいな、曲の歌詞から想像できるリスナー像があってそれにひっぱられているところがあって、それを外観的にタフな映画の主人公に添えて使うのが時代が一周したと言うか、そういう感じがした、しました。何目線だって言う話だと思いますが……。書いておきますが、わたしも(500日)のサマーめちゃくちゃ好きでした。だから映画の最後にターゲットになる大富豪のおじさんがSUB POPのTシャツを着ていたのも、エンドロールで「There is a light that never goes out」が流れたのもふふっとなったところあるんだよな。

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