サウスカロライナ州の高校3年生リリアンは、彼氏のトロイ、親友のテッサ、何かとトロイにちょっかいを出してくるアナベルたち同級生と、修学旅行でワシントンD.C.を訪れている。はしゃぐクラスメイトを、ひとり冷めた目で眺めている、どこか物憂げなリリアン。夜、皆で抜け出して行ったカラオケバーで、陰謀論に憑りつかれた若い男による銃乱射事件に巻き込まれてしまう。その場にいたド派手なパンク・ファッションのケイレブに導かれ、店のトイレに逃げ込むと、大きな鏡の裏に“秘密の扉”があった。それは地下通路へと繋がっていた・・・。公式サイト
『スイート・イースト』をみました。よかったです。
作品紹介にはアンティファ、ネオナチ、イスラム主義者といった言葉が出てきて、実際本作の主人公は流れ流れされるなかでそのようなグループと接点をもっていくわけですが、この映画で描かれるこれらのグループはいずれも戯画化されながら、誹謗にも嘲笑の対象にもなっていないというギリギリのところに置かれている気がします(そもそも今並べた3つのカテゴライズ自体、作中には直球で言明されていなかった気がする)。
反政府グループの男はピアッシングした性器を主人公に見せてドンビキされたり、右翼組織にいる男は紳士的に振る舞い続けた結果主人公になめられ、イスラム出身の男たちが集まる山間のキャンプではリーダー格の男が主人公を気に入って自作EDMのCDを渡したりすることになる。好き勝手している主人公に対して、いずれのグループも踏み込みきれないところがある。
アメリカ合衆国やその個人主義、個性に対してわりと直球で肯定しようとするところが現代の作品として逆に屈折した要素になっている感じで、それがみていて幾らかの居心地の悪さにもつながるんですが、わたしは嫌いじゃないです。音楽の使い方もかなり良かった。
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