原作は東直子の短歌です。事前情報なしでみていたので最初は普通にそれぞれのシーンが話の展開にどのように関わってくるのかを追おうとしていたんですが、この映画は何事かが起こって話が進んでいくのではなくて、そのやりとりがあることというか、そのやりとりのなかで相手にみせる(視聴者には由来の分からない)気遣いと言うかやさしさというか、そういうものを重ねて重ねていくもので、作品自体の設定はそのなかからうっすら感じられるものにとどめてあるような映画でした。おもしろかったです。起承転結だけでない、その画面にうつっているものを一歩引いたところからじっとみている感じがある。あとこれは蛇足というか別の話ですが、作中の人物がよくカメラを向けられていて、世間一般のやりとりでもお互いにこれだけカジュアルに写真撮ったり撮られたりするものなのか……!?みたいな、一般的なものなのか演出なのかわたしにはわからない……!っていうところがちょっとだけありました。
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