異人たち


『異人たち』をみました。とてもよかった。

夜になると人の気配が遠のく、ロンドンのタワーマンションに一人暮らす脚本家アダムは、偶然同じマンションの謎めいた住人、ハリーの訪問で、ありふれた日常に変化が訪れる。ハリーとの関係が深まるにつれて、アダムは遠い子供の頃の世界に引き戻され、30年前に死別した両親が、そのままの姿で目の前に現れる。想像もしなかった再会に固く閉ざしていた心が解きほぐされていくのを感じるのだったが、その先には思いもしない世界が広がっていた…       公式サイト

あいだをあけて何度か出てくる、「大丈夫だよ」/「大丈夫?」/「大丈夫じゃない」のやりとりがすごく印象に残った。建設的な生き方をやめた(←公式サイトのストーリーガイド映像の表現)主人公の、選択肢のない状態まで追い込んだ、あるいは選択肢がなかった生活が揺らいでいく。

「大丈夫じゃない」って言った瞬間に主人公へのしかかったであろう大きな、重い、転換点がすごく身に迫るところがある。大丈夫か聞かれて大丈夫と答えられる程度にはなんとか安定した面を社会にお見せしてやっているのって、その安定ってかなり追い込んだことによる、本来削っちゃいけないところを削った結果生まれたものである可能性があって、それを自覚したらだめになりそうな瞬間はあって、そこをパートナーや家族の面からうまく描いた映画だった。感想をちゃんと書けないんですがかなり刺さるものがあった。大丈夫になりたい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA