犬は歌わない

前情報を入れずにみはじめたので冒頭はなかなか頭に入ってこなかったんですが、猫がでてくるあたりから一気に引き込まれてしまった。ソ連の宇宙開発計画のアーカイブ映像とモスクワの野良犬を追った映像の組み合わせ。もともとは後者だけでやろうとしてたところに前者のライカがモスクワの野良犬だったことから話を組み立てたとか。

野良犬のパートでは人間にほとんどフォーカスがあたらず、あくまで背景の一部であることを徹底している一方で、宇宙開発のパートは(当然ですが)人間主導で犬を扱っている(かなりグロテスクな)映像がでてきます。このあたり、映画を冒頭に示される”宇宙開発の犠牲となったライカの魂がモスクワ市街を彷徨っているという都市伝説”も合わせて、ロシア宇宙主義の不死になった人間による秩序に対する何らかの意思表明だったりするのかな……とか考えて何もわからんになってました。というかでも製作はロシアじゃなくてオーストリアですしね。

それよりもとにかく野良犬の映像がこれどうやって撮ったんだ?ってなるようなものが続きます。全編が犬の目線の高さで、しかもカメラを意識していない動きをするからもしかしてこれって野良じゃなくてペットモデルか?って何度も思ったくらいです。ただ途中にでてくる猫のシーンがかなりショッキングだったのでいや、やっぱりこれは野良だ……ってなり、えっじゃあこれどうやって撮ったんだ????ってまたなるんだよな。なおインタビューを読んだらとにかく犬たちを待ったみたいな話が出ていて、そっか(すごい)となりました。動物番組みたいなナレーションが入らないからいま映っている犬が何をしてるのか、お腹が空いてるのか、なんで動いたのかとか何もわからないんですが、それが多分意図した映像なんだよな、最後の終わりも含めて。

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