想像

本作は『三月の5日間 リクリエーション版』の本読みからパリ公演までの2年間を追い、そのうち作品冒頭の演技を並べたものです。セリフはすべて同じ、一方で発話や身振り、間のとり方なんかが変化していくところを、それがチェルフィッチュの演劇でみるあの超口語的なものだったり雑多な身振りだったりに成っていくその過程を、反復の中で見出す(ざるを得ない)ようなつくりになっています。

わたしはリクリエーション版を1度だけ観に行っていて、あとは小説版も読んだりしてるんですが、当たり前なんだけど演技が練られていく過程っていうのはまた別でおもしろいんですよね。チェルフィッチュの演劇は『三月の5日間 リクリエーション版』しかみていないのであまり他の作品についていえないんですけど、あの人称がうつっていく作劇の方がまずあって、そこに先の演技が重なって出てくる主体の掴めなさと言うかそういう面白さがあったって観たときの記憶が頭にあって、今回ひたすらその演技の部分が舞台と客席、2003年の六本木を想像しながらかつシームレスにメタな位置にも立つ演技、リアルでありリアルでない演技を練り込んでいく過程でそれは……何?すみません、眠気と休日が終わってしまうストレスで何も頭がうごかない、いまのは言い訳でいつもそうです。でもおもしろかった。

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