『櫃田伸也 通り過ぎた風景』をまたみた。
『櫃田伸也 通り過ぎた風景』をみた。60年代から2026年までの作品展示です。企画展の順路が普段とは逆周りになっていて、冒頭に年代を越えた作品がずらっと並んだあとは概ね時系列に沿った形でした。風景、特にフェンスや立体で区切られた画面が繰り返し描かれていくなかで、山(山水)や青色が目立っていく変化を意識しやすいものになっていて、最初は門外漢過ぎてどうやって見ようか面食らっていたところもありますが終盤には一つ一つ見比べるようなことができた気がする。よかったです。当時の新聞記事も展示されていて、大学内をジョギングしている際に見た風景、拾ったものを題材に取っているという話がありました。 前回の感想
冒頭の展示室で「通り過ぎた風景」をはじめ、”風景”の作品をいくつもみながら当時のスクラップブックや記事の展示もみたうえで時系列順に並んだ2つ目の展示室以降を進んでいくと、その冒頭でみた「通り過ぎた風景」をテンプレのようにしてそこへモチーフが重なっていく流れを感じやすい仕組みになっていた。”風景”の画面にある広がりがあるようで地面の立体感や距離感がねじ曲がった感じは、70年代の作品にあった目の前に立つ壁を描かれたものを念頭におくと、その広がって見えた風景自体が目の前に立つ壁と同じ平面に見えてくる(実際宙に浮いた缶は70年代壁の前に机が置かれた作品に似ている)し、そのなかにあるフェンスで囲まれた場所が徐々に水になり、それが方舟のモチーフへつながっていくのもその場所はすべて冒頭にみた「通り過ぎた風景」と同じあの風景のなかに感じてくるんだよな。その最後の展示室には現在はパーキンソン病を患い自宅で療養をされている氏の2025~26年の作品が並んでおり、ここで線はかなり抽象度を増しながらも年代をのぼるように”風景”の絵をみてきていると、この作品群も一連のものにみることができるというのは、やっぱりこの回顧展示の導線のうまさだったと思います。
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