(クラスナホルカイ・ラースロー (著), 早稲田みか (訳))サタンタンゴ

『サタンタンゴ』(クラスナホルカイ・ラースロー (著), 早稲田みか (訳))を読み終わった。

閉鎖した農場に残りながら先の見えない暮らしをする登場人物たちと、降り止まない大雨。登場人物たちの強烈な癖(部屋に篭りすべてを記録する医者等)もこの黙示録的な状況がすべて飲み込んでしまうようで、作中時間は行きつ戻りつをしながら視点はころころと変わり、段落替えのない文字で頁が埋め尽くされている。先のみえない文章を延々と読んでいるうちに劇的ななにかが起こったような気もするけど、その直後、官憲が読む報告書をみると起こったような何かは結局小道の石が転がるようなものだった感じもする。そして蜘蛛の巣が張り巡らされた世界は循環して最初に戻る。とはいえ、この本は構造ありきでは決してなくて、鬱屈とした世界観のなかにも救世主(かつ詐欺師)として登場するイリミアーシュの動向や、喜劇感さえある登場人物たちのやりとりが読んでいてすごく楽しいんだよな。これを映画化したくなる気持ちもわかる、それが結果として7時間の映画になるとしても、、、(そうか?)。

先に映画版をみたときは、強烈な長回しが続くなか、確か小便のシーンでうとうとしてしまったんですが、目が覚めてもまだ小便をしていたのが記憶にめちゃくちゃ残っているんだよな。長すぎる。今その原作を読んでいて初の小便シーンにきたところです。

建物の角に回りこみ、葉の落ちたアカシアの木に小便を引っかけながら、空を見上げていると(小便はいかにも男然と勢いよく溢れんばかりに流れ出た)、自分が恐ろしく無力でちっぽけな存在に感じられ、またしてもえもわれぬ不安に襲われた。 『サタンタンゴ』184頁

一瞬で終わった。でも多分この場面ではない、記憶だと建物のなかの場面だった気がするけど、なにぶん数年前にうとうとしながらみていた場面なので覚えが曖昧すぎる。

2026年8月1日

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA