さかなのこ

とてもよかった……。さかなクンさんの半生を映画化したもので、めちゃくちゃ心身にやさしい作品です。幼少期の場面はなるほどねって顔しながらみていたんですが、中盤以降はずっとにこにこしながら、そしてたまに泣いてしまった。

伝記的な映画にありがちな正しさの描き方というか、やや説教臭くなるところをたぶんかなり意識して避けようとしたうえでミー坊と周りのことが描かれているんですよね(そういう意味でここに貼った予告編はその教訓臭いところがやや押し出されていて少しイマイチだと思います。)たぶんそれは実際のさかなクンさんがミー坊以外からは不審者として扱われる役として登場するのもそう。そのうえで頭のハコフグの扱いがキマっててうおおとなってしまうんだよな。

画像

さかなクンさんがいなくなる場面でハコフグが路上に落ちているシーンは完全にこれを意識した虚無の目になってるんですが(?)、一方で終盤にミー坊がハコフグの顔(目)を正面から見据えるシーンでは背中を押す存在になっていて、それがこの写真でも印象的なフグの目なんですよね。ネットミームをつかってややテクニカルな感じになっている気がして勝手にちょっと良いじゃんとなったところです。

他にもお寿司屋さんでのやりとりで

じゃあタコをお願いします
アイヨッ!
ミー坊も!
アイヨオッ!

の場面は確かにひとつのクライマックスではあるんですが、それでもこの直後に暗転して無音時間をはさむくらいまでわざわざ余韻を残してて、そんなわざわざって言えるくらいの演出もなんかめちゃくちゃわたしには刺さってしまって、ぼろぼろ泣いてしまいました。声出そうだった。

何というかすごい映画じゃないけどポイントがしっかりささってくる映画で終わったあとかなり気持ちが良かった。『さかなのこ』、休日の朝からみたい映画ナンバーワンです。

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