サッド ヴァケイション

予告動画の公式配信はみあたらなくて、これは名前は予告になってるけど本編冒頭映像です。

『サッド ヴァケイション』をみました、とても良かった……。

中国からの密航者を手引きする健次は、父親を亡くした少年アチュンを引き取ることに。職業を変え、アチュンや幼馴染の男の妹ユリと家族のような共同生活を送っていたある日、健次はかつて自分を捨てた母親・千代子に再会する。捨てられた恨みを果たすため、母と共に暮らし始める健次だったが……。映画.com

『Helpless』、『EUREKA』に続く北九州三部作に三作目に当たります。母親に対する恨みと、流れ者が集まる間宮運送での共同生活が両軸で進んでいく。その間宮運送っていう場所の包容力と対比するような母親の母性と言うか、言い方が難しいんですが強烈な保持力というか粘りがすごい。前者だけなら何となくいいお話になるのに後者の迫力が強すぎるんだよな。それは主人公が共同生活で少しだけ揺らぐような一面が描かれるのとは違って、もっと根深い、独りよがりでもあるがそれも母性ですよって言われると、そうなのか?いやそうかも……となるくらい一貫して、突き抜けている。それで結局要所要所で登場する母親がこの作品の第二の主人公でしょってくらいの重さがある。なので最後のちょっと逸脱した終わり方(ギャグっぽささえある)でも、ここは一人ずつ笑顔が漏れるシーンなんですが、他と同じように母親が笑ってる画面がうっすら怖いんだよな。とてもおもしろかったです。

浅野忠信の演じる役で、今作だと「おはようございます。今日なんすか」「ベーコンエッグ」「あーいいっすねぇ、好きなんすよ」「待っとって」ってところとか、この深く関わらないであろう他人に対する人当たりの良さと上っ面だけな感じがでてる仕草が好きなんだよな。

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