羅生門


『羅生門』をみた。面白かった……。

平安時代。激しい雨が降る羅生門の廃墟で旅法師と杣売りが首を傾げていた。そこへ走り込んで来た下人の問いに2人は不思議な話を語り始める。盗賊・多襄丸が森の中で武士の夫婦を襲い夫を殺したというが、検非違使庁での3人の証言は全く異なっていて…。U-NEXT

日記なので書いておくんですが、「羅生門は老婆の役作りに奥歯を抜いたんだよ」って母に言われながら一緒にみてたところ、どうも全然違う話(映画『羅生門』の原作は『藪の中』)が続いてて、ようやく終盤の展開に羅生門要素が出てきた時、「つまりこの老婆ポジションのおじさんが!?必要あるか??」って混乱する場面あった。

ちなみにウィキペディアの羅生門のページには、京マチ子が「眉を剃り落してメーキャップテストに現れ、その熱意に打たれた黒澤は京の出演を決めた」とあって、加えてこれはフォロワーさんのツイートで知ったんですが、映画『楢山節考』では老婆役の坂本スミ子が役作りに歯を抜いたエピソードがあるので、そのあたりがごちゃまぜになったっぽいです。

あともう一つ余談として、先日みた映画『正義の行方』はポスターに「これはわたしたちの「羅生門」」っていうフレーズが書かれていて、これはおそらく今夜みた羅生門が念頭に置かれているんですが、その映画のなかのインタビューに「まあ藪の中じゃないですか」って答える場面があるんですね。この「藪の中」って表現が、そのまま「誰が本当のことを話しているのか真相はわからない」っていう意味だろうなってとっていたんですけど、そもそもこの慣用表現自体が『羅生門』の原作になる芥川龍之介の『藪の中』からきたものだっていうことをこのタイミングで知りました。そうなんだ。

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