ヨーロッパ新世紀


『ヨーロッパ新世紀』をみた。原題はR.M.NでMRIのことを指すようです。

トランシルヴァニア地方の村。出稼ぎ先のドイツで暴力沙汰を起こしたマティアスが、この地に戻ってくる。しかし妻との関係は冷めきっており、森でのある事をきっかけに口がきけなくなった息子、衰弱した父への接し方にも迷う彼は、元恋人のシーラに心の安らぎを求める。ところがシーラが責任者を務める地元のパン工場が、アジアからの外国人労働者を迎え入れたことをきっかけに、よそ者を異端視した村人たちとの間に不穏な空気が流れ出す。やがて、そのささいな諍いは村全体を揺るがす激しい対立へと発展し、マティアスやその家族、シーラの人生をも一変させていく…。公式サイト

ルーマニアの公用語はルーマニア語ですが、作中ではルーマニア語、ハンガリー語、ドイツ語、英語、フランス語等が飛び交い、最初の2言語それぞれとそれ以外で3色に字幕の色が変えられています。話者が同じでも相手が変わると言語も変わる。いま話されている言葉が何語なのか、(わたしは)色以外に判別できないながら、音の雰囲気でドイツ語っぽい、フランス語っぽい、これは英語、それ以外のわからない言語みたいにみることになる。

大きな軸であるグローバル資本主義に関する話題のまわりには父権的なふるまい、宗教、人間関係、さまざまな要素が常に展開されていて、そのクライマックスに村民会議が描かれる。わたしはこのあたりから頭が痛くなってきた。その後、主人公の行動とリンクするように、わたしの整理のつかない頭は視野狭窄的になって、終盤の展開が一息に済んだ頃にはもう映画が終わってしまった……。

終わってからゆっくり整理したい、普段はあまり思わないんですが、映画をみおわってからすぐに何か話をしたいと思うような演出、内容でした。

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