台湾におけるアイデンティティの統合(ナショナリズム)と多元的民主主義のジレンマをどのようにバランスをとるのか、それを中国、日本、アメリカの政治的、経済的影響力のなかで、しかも国際的な国家の承認を得られていない状況のなかで……という、台湾民族(この本のなかでは「民族」とは言語や風俗といったものではなく、共通の政治文化を共有する同盟関係として構築するものを思考しています)の行く末をかなり悲観的なトーンで描いています。
いや、悲観的というのはこの本に含まれているエッセイ的な文章や師であるベネディクト・アンダーソンへの文章のなかで延々と流れるトーンであり、一方で同時に、この本に収録されている実際の政治的状況のなかで書かれた文章(「一九九六年三・二二世界キャンドル守護台湾民主運動宣言)などでは強烈な檄文を飛ばしています。この前者があるからこそこの本における論のかなり理想的な思想が真に迫ってくるというか、読んでいてとてもおもしろかった(おもしろかったというのも変ですが、とてもよかった)。
「われわれは自由であるばかりではない。自由において恥じるところがない!」
『台湾、あるいは孤立無援の島の思想』423頁
本の最終盤に収録されているこの文章はここまで読んできていたものがあったので正直かなりぐっときてしまいました(引用の箇所含めニーチェやカントの話題が多く出ている本です)。
この心境でパスポートとって台湾に行くのか? 行くぞ!
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