『パリ、テキサス』をみました。この映画館では以前まで上映前のマナー映像をご当地VTuberのキミノミヤさんが担当をされていたんですが、しばらく前に引退されていたからか、今回は無音に文字列のタイプになっていました。
荒野を歩く男の映像から始まる映画です。4年間失踪していた男が、病院から連絡を受けた弟に連れられて車で弟夫婦の家へ、そしてそこで預かっている息子と再開し、また息子と車で妻を探しに行くロードムービー。音楽がとてもよい。
男の抱える欠落が弟や息子とのやりとりで徐々に方向を持ち始めていくきっかけの一つが、夫婦と子、それに弟夫婦5人で過ごした数年前のビデオ映像を弟夫婦の家の暗い部屋でみんなで眺める場面で、その映像をみながら合間に少しずつ顔をみかわしていくシーンがめちゃくちゃよかった。男にとっても自分の記憶からは消えていた鮮やかな時間が残っていて、それに隣りに成長した息子がいるっていうあの瞬間の我に返った感じというか、やるべきことがみえてくる感じはすごく、良いものだと思います。もう抜け落ちてしまったものはしょうがない、あるものを抱えていくしかないけれど、まだやれることが少しだけあるっていうのをさらりとお出しされた感じがある。とてもおもしろかったです。
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