『海がきこえる』をみました。とてもよかった……。前に一度、わたしが大学1年の頃にみているはずなんですが、そのときはあまり印象になかったものなんですけど改めてみたらぜんぜんめちゃくちゃよかった。当時、たしか秒速5センチメートルを発端にその手の作品を見漁っていた時期があり、その流れで手に取ったものだったと思います。そうするとこの映画の(内容というよりも)終わりかたの明るい開かれ方が、そこに至るまでの回想パートばかりのやりとりを吹き飛ばしてしまうようなものに思えたのかもしれない。”海”って作品につけるほど印象なかったな……とか思ってた気がする。
今回改めてみて、セリフのテンポのよさがまず印象的でした。長めのセリフ、土佐弁によるものをパンパンと投げ合う小気味よいやりとりがゆったりとしたモノローグと対比的に、登場人物たちの高校生活のトーンを気持ちの良いものにしています。海については目立つほどではないものの、街を歩けば海が映るくらいの距離感で、波の音がかなり多く聞こえてきます。この”海”、それに”きこえる”っていうのはそのものからの距離を経て感じ取ることというか、もう少し具体的にいうと高知の海といった場所ではなくて、あの頃、あの人みたいなものな感じになっていた。それは回想パートが大部分を占める作品からの印象なんですが、それが同窓会を経てこれからに結節するのが大学1年生っていう、まだ高校生活とは大きくは慣れていないというところに作品内の感傷を抑える効果があって、それが同じく大学1年のころにみたわたしにとってよくわからない……となったところな気がします。それが逆に今みると、その未来のある部分こそに感傷をそそるものがあるんだよな。とてもよかったです。あとこれは細かいところですが、主人公が東京から実家に電話する夜のシーンで、窓の外にあるビル群の看板のひとつに”きこえる”ってあるのはなんなんだ……と思いながらみていた場面があった。何だったんだ……?
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