夜。買って以来ずっとライブラリに入れたままだった『未解決事件は終わらせないといけないから』をプレイした。面白かったです。
警察を引退した老人の記憶のなかにある未解決事件を、当時の証言をつなぎ合わせて真相を探していくゲーム。その証言が誰によるものか、どの時系列でなされたものかをパズルのように組み合わせながら事件の全体像を把握していく過程がおもしろい。

ある単語(「病院」「離婚」等)から連想するかのように芋づる式に別の証言が登場して、それらを組み合わせていく作業はその証言と関連する証言のつながりを滑らかにすることで進むんですが、少しずつ、登場人物の誰もが嘘をついているんじゃないかと感じられてくる。このあたりの立ち上がり方が気持ちよかった。事件に至るまでの登場人物たちの群像劇をこんなシステムで濃縮して描けるんだっていう気持ちと、こんなシステムだからできるミスリードがうまいってう気持ちで一気に最後までプレイしてました。
河川に「ダム」を作り、自ら生み出したその環境のなかで適応的な生活を送るビーバーのように、私たちは発話を行いながら、想起を完成させていく。発話を伴わせなければ、想起されたものは容易に忘却されてしまうだろう。想起は二重化された自己(身体/環境)の知覚であり、想起状態を維持しておくことは、二重化された自己(身体/環境)の知覚を維持する行為をし続けることである。 『想起ー過去に接近する方法』185頁
今読んでいる本がちょうど事件の証言に関することにも触れていてタイムリーだったのでこのゲームを起動したところもある。そういえば『未解決事件は終わらせないといけないから』の冒頭も、きっかけは主人公の老婆に対してもう一人の若い警察官が会話を投げかけたことから始まったんだった。

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