ある地方都市を舞台に、町に戻ってきたことで止まっていた時間や人間関係が動き出し、自らの手で運命を選ぼうとする女性の姿を描いた官能ドラマ。山間の小さな町に養父の最期を看取りにきた直美は、義理の弟・裕之と再会する。ふたりはかつて姉と弟という関係を超え、男女の仲にあった過去があり、直美は裕之への思いを再燃させる。しかし、同じく町に戻ってきた幼なじみの義雄とも再会した直美は、思いが揺れ動き……。映画.com
映画館の24周年記念イベント、曽我部恵一セレクト映画の上映で『夏の娘たち ひめごと』をみました。とてもよかった……。映画の中にはわからなさがいくつもあった。登場人物たちそれぞれに隠し事があるという、まさに作品名の”ひめごと”なんですが、観客側からするとそれは例えば川遊びの場面で水音にかき消されるて何言ってるかわからないけど楽しさを感じる瞬間や、葬式の場面で登場人物たちが盛り上がっている昔の出来事、あるいは映画そのものの時間についても(夏のひとときではあるものの)出来事の間にどれくらい時間が空いているのか、重要な出来事が抜けている用に感じる展開だったりする。だけど終わってみれば最後まできれいに繋がっていて、作品の内容が掴めなかったかと言うとそういうわけでもない感じがある。それが血縁や地縁の要素を強く描いているのにどこか軽やかさのあった理由な気がする。わからないことをそのままのものとして飲み込めるのって(もちろん映画としての巧みさがあってのことなんですが、)かくありたいよなと思ってちょっと元気が出た映画でした。
上映後は曽我部恵一によるトークと弾き語りライブがあった。今年みた映画、去年みたおすすめ映画の話題や、本作についてのちょっとした思い出なんかを挟みながらのライブです。サニーデイサービスのライブはここ数年に何度かみているんですが、弾き語りもめちゃくちゃ良かったです。「客席の角度が急で、落ちてきそうな感じがある」って笑いながら触れてから、この映画館がもともとプラネタリウムだったことについて話題が出ました。言われてみればスクリーンに対して大学の講義室みたいな角度で客席が並んでいる。ここもプラネタリウムだったんだ。ビルの最上階にあったプラネタリウムが映画館とライブハウスになっているの良いぜ。
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