京都に住む明るく元気な小学6年生、レンコ。父ケンイチが家を出て、母ナズナとの二人暮らしが始まった。ナズナは新生活のための規則を作るが、レンコは変わっていこうとするナズナの気持ちがわからない。離婚届を隠したり、自宅で籠城作戦を決行したり、果てにはかつて家族で訪れた琵琶湖への小旅行を勝手に手配する…。両親の別居に揺れる少女の心が躍動感たっぷりに描かれる。本作でデビューを飾った田畑智子が画面の中を走る、走る、走る――そのまっすぐな瞳に誰もが目を奪われる。公式サイト
先日の『夏の庭』に続いて『お引越し』をみました。めちゃくちゃ良かった……。ばっちり決まった構図で登場人物が会話をしているときにカメラが少しずつ動いたり登場人物が移動してカメラが追いかけたときに、そのままぬるっと次の完璧な構図が発生するのどうなってるんだって思った箇所ばかりだった。『夏の庭』をみたときも思ったんですが、一つの尺は長いのにその中の動きや変化が強くて、尺の長さ来る息苦しさというか退屈感がないままにその画面にのめり込んでしまうというか、映っているものをそのまま受け取ってしまうパワーがある。主人公のレンコが会話の途中にすっと両親、画面から離れるように奥へ抜けていくんだよな。自宅内の動きもすごいんですが、なぜか特に印象に残っているのは琵琶湖のホテルから出てきて防砂林を抜けて石垣の上に父と立っている場面から、石垣の上下に別れたあとに今度は石垣の上で手前と奥に移動して、最後は振り返って奥へ消えていくところです。画面から逃げる場面といえば、花火大会の夜に真っ暗な人混みでうずくまったあとにその日を一緒に過ごしたお爺さんに「来年もきっと来るから、死ぬんやないで!」って言ったあと人の山をかき分けて飛び出た瞬間の川辺の光がかなり明るくて、そこが変な琴線に触れてちょっと涙出た(なんで?)。
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