カイルとコルトンは、カルガリーの郊外に住む高校生。親友同士のふたりは住宅地をスケートボードで駆け抜けたり、渓谷で水遊びに興じたりと、気の向くままに日々を過ごしている。夏休みが終わりに近づいたある夜、立入禁止区域の鉄道の線路に侵入したカイルに惨たらしい出来事が降りかかる。その頃、同じ高校に通う少女ホイットニーが行方不明になり、くしくもコルトンが渓谷の岩場で拾ったホイットニーの日記帳には、学校での人間関係に悩む彼女の切実な心情が綴られていた。はたしてホイットニーの身に何が起こり、彼女はどこへ消えたのか。孤立したコルトンは、どうすれば心の空洞を埋めることができるのか。そして、まだ現世をさまよっているかもしれないカイルの魂の行く末とは……。公式サイト
『メイデン』をみました。前半、後半の大きく分けて二部あり、それぞれ登場人物たちがスケートボードや徒歩で彷徨するカルガリー郊外の街並み、開発中の広い土地と隣接する森林や渓谷といった一連の舞台がとてもよいです。その鬱蒼とした森林にある神秘さを強めるように、特に暗い画面の多い映画だった。だからこそ昼間の、スケートボードで颯爽と走る場面や渓谷を泳ぐ場面が輝き、開発中のなにもない土地を一人で歩き回るホイットニーが唐突に中指を立てるシーンが際立つんだよな。
全体を通じてメランコリックな雰囲気なんですが、この映画では寄り添うことでなにかを解決することではなくて、ただ喪失感を抱えた個人が歩き回ることでそれ自体がなにか希望というか、そういうものに近づいているように感じられるものになっていてそれがよかったです。
「映画みたいなゲーム」みたいな映画というと雑な言い方ですが、海外インディゲームにある雰囲気と同じものがある映画だった。
作中でもハードコアって単語がでてくるんですが、主演のひとり、ジャクソン・スルイターが実際にボーカルをつとめるバンドの音源がbandcampにもありました。
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