『幻の光』をみた、とてもよかった……。
祖母が、そして夫が突然死へと旅立った。愛する人を次々と失った記憶と引きとめることができなかった悔恨を胸に秘め、ゆみ子は奥能登に嫁ぎ、新しい家族に囲まれて平穏な日々を送るが――。Bunkamura
固定で引いた画面の長回しや合間に海や家屋の遠景が挿入されるたびにこれはみんな好きだよな……となった。大阪を舞台にした狭い賃貸の空間と、輪島を舞台にした広大な自然に囲まれた古民家の空間のいずれも映像がとても良いです。大阪/輪島のどちらでも部屋の窓から外を眺める場面が印象的で、いややっぱりいちばんは輪島での子ども2人が散策をしているところかもしれない。ぜんぜん動きのない画面だったのが一気に活力に溢れる感じになる場面なんですが、とはいえ例えば棚田の細いあぜ道を走り抜ける2人の危うさというか、活力にあふれる場面でも作品全体に通底する死がちらつくところもあった。とてもおもしろかったです。
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