(戸田山和久)教養の書

大学新入生、あるいは高校生を対象に書かれた本で、ブルデュー等についてはさらっと流す代わりに複数の映画を題材に話を展開させたり、話を何度も脱線をしたり、めちゃくちゃ読みやすい。今のわたしはこれくらいがちょうどよいです。戸田山和久氏の本はできるだけ読むようにしています。楽しいので。大学に入った頃に授業を受けていたことがあるんですが、教養科目の授業でレジュメをちゃんと残しておいたのはその講義だけだった気がする。多分まだ実家の部屋にあります。そしてこの本の終盤に文体のお話で古井由吉が登場したのはわたしの人生の伏線回収っぽくてにっこりしてしまったぜ。

私は、森茉莉、古井由吉、金井恵美子、町田康といった作家の文体が大好きだ。それぞれすごく特徴がある。その文体を味わうためだけに繰り返し読む(内容はどうでもよし。古井由吉なんて、夜中に起きて水を飲んだら死のことを想って怖くなった、みたいな話ばっかりだし)。『教養の書』(戸田山和久)328頁

2022年9月9日

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