最強殺し屋伝説 国岡

殺し屋の生活を追ったドキュメンタリーということで、冒頭から画面の揺れや音の割れなんかもあり、音声には字幕が付きという仕様なんですが、これが殺し屋映画のフォーマットに完璧にフィットするのはすごい発明なんだよな。アクションシーンは『ベイビーわるきゅーれ』で圧巻の戦闘を描いた阪元裕吾氏が入っているわけではなくて、代わりに効果音ばりばりですがこれが先に書いたドキュメンタリー風の映像に気にならない程度に挟まれる画面の揺れや音割れなんかとスムーズに連動していてアクションシーンに違和感がない(盛り上がる)要素になっていたし、ぼそぼそしゃべる日常シーンなんかにも全部字幕がつくことで、会話シーンや咄嗟に出る言葉なんかから映画っぽい演技感を抑えて生活をのぞいてる感じが増しましでした。このフォーマットを選んだ時点で勝ちでしょって感じもある。

そしてそれが観ているうちにどんどんハマってきちゃってそれどころじゃなくなるんですよね。出だしからキャラの濃い殺し屋が出てくる掴みなんですが、話が進んでアクションシーンや効果音なんかが体に馴染むにつれて、そのキャラの濃い面々が完全に風景に溶け込んでる気がしてくる。『べいびーわるきゅーれ』は元女子高生”殺し屋コンビの日常のなかにある殺し屋稼業といった感じでしたが、こちらの『最強殺し屋伝説 国岡』は殺し屋稼業のなかの生活といった感じで、世界観がより開けたなかで殺し屋稼業が描かれていて、それが違和感なく盛り上がるのは多分めちゃくちゃうまいんだと思います。そしてタイトルバックのタイミング完璧だったな……。

今日はパンフレット切れで14日に再入荷予定とのことでした。その日が監督の舞台挨拶日らしいのでまた行ってしまうかもしれない。それに『べいびーわるきゅーれ』『最強殺し屋伝説 国岡』ときて阪元裕吾監督作にかなりハマってきたところで20日からはなんと監督の特集上映が始まるのでこっちも行くしかないんだよな。

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