とてもよかった……。耳の聞こえないケイコがボクシングをして、仕事をして、生活をしている映画です。劇伴が存在せずひたすら環境音が流れます。ここでわたしは先日みた映画『擬音』でフォーリーや録音のことを知ったので、その音がどのように録音されて映像に重ねられたのかとかぼやぼや考えながらみていました。映画はみられるだけみておいた方がいいです。スタッフロールで流れる東京の遠景、ここに街中の音が重ねられているんですが、流れている映像と聴こえてくる音が必ずしも一致していないんですね。だからこそその画面をみていると逆に音の聞こえない東京の街というのがすこし想像させられたところがあって、すごい……となりました。耳が聞こえないことによる生活での困難というのは、とくに現在(映画内現在でもある)のマスク着用の状況では口の形がみえないことを始めいろいろとあるんですが、そういった困難をかならずしも前面に出している映画ではなくて、その生活のなかでボクシングを続けていくのかどうか、その岐路にたった主人公の葛藤と周りの支えを描いています。とてもおもしろかったです。
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