あとがきにあるように、選挙を通じた立法権だけではなく、より執行権、行政との距離を、政策形成において市民の問題意識を反映させることを議論した部分と、もうひとつがアソシエーションとしてのファンダムについて、ポピュリスト指導者や悪い意味での総動員的な活用が目立って感じられる一方で、公式に提供されたものの隙間にある物語を自発的にファン同士が埋めていくものとして、これを大きなベースの物語に対してローカルに結びつけた実践を行う集まりのイメージとして活かしていけないかという部分。この二つをもとにプラグマティズム的に実験的な試みをそれぞれが持ち寄ってすすめていけないかという内容です。
対話形式でとても読みやすい。読み進めるのに体力を使わないのでさくさくと読めた気がする。これは内容が軽いとかではなく、後半の主な題材であるファンダムが普段からインターネットに触れていることでイメージしやすいとかもあるんですが、それよりも冒頭からとにかく話題を平易に噛み砕いてくれているので本を開くのに気合がいらないんだよな。気合がいる読書ってなに?という話ではありますが……。わたしはだいたいいつも、読んだ本を開くと数ページ前のことを思い出すためにさかのぼって、その分を読むとつかれて本を閉じるということをやっている(雑魚)。
コメントを残す