屠殺寸前で逃げ出した水牛を追って村中みんなが上へ下へ大パニックを引き起こす映画です。役に立たない警察、呼び戻される村を追われた荒くれ者、暗闇に潜んで姿を見せない獣、そして人が死に……こういった要素だけ集めると本邦の名作、『羆嵐』とかなり重なるんですが、こちらはインド映画、高利貸しを牛の前に突き飛ばしたり、近くの村から泥酔集団が駆けつけてきたり、警察のジープは炎上、水牛そっちのけの大喧嘩、いざ討伐に向かえば全員大パニックの全く別物に仕上がっています(雑な言い方ですみません……)。
画面に映ってる全員がでかい声、常に20~30人の男たちが画面を騒ぎ回っててこれがまたいいんですよね。めちゃくちゃですよ。日中はもちろん、夜の森を探索するパートでさえ暗闇を照らす懐中電灯、焚き火が森の中に数え切れないほど浮かび上がって四方八方を照らしまわっていることで画面が常に騒がしいんだよな。そして気づけば群衆全体がでかい獣になって世界を暴れまわっている……。爆発的な笑いがあるわけではないんですが常に声を出さずに笑っている状態になってました。
ちなみにタイトルの『ジャッリカットゥ』については公式サイトにこのように書かれています。
ジャッリカットゥは、牛を群衆の中に放ち逃げようとする牛の背中の大きなコブに参加者が両手で捕まり続けることを競う牛追い競技である。参加者は、コブにしがみつき牛が逃げようとするのを力ずくで止める。また、地域によっては牛に取り付き、角につけられた旗を奪う。 インドのタミル・ナードゥ州を中心に2000年を超える歴史を持つと言われ、毎年ポンガルという収穫祭の頃に行われる。タミル・ナードゥ州ではプロリーグも存在している。 非常に危険な競技で、2008年から2017年の間では43人の人間、4頭の牛が犠牲となっている。動物愛護の観点からジャッリカットゥは2014年に一旦インド政府により禁止されたが、2017年には百万人を超える民衆が参加する大きな抗議運動が起こり、タミル・ナードゥ州では改めて競技開催が認められることになった。 (公式サイトより)
素で楽しみすぎて何も拾えなかったけどもしかしてポリティカルな要素もあったりしたのかな……。
じ じ じ 地震だーーーーーっ!逃 げろーーーーーっ! うおっうおお おっあああああああっ うおうおうおうおおうおおおおおっ おっ おっ!? 震度981635や 震度981635やーーーっぁあああああああおおおおおおおうぅおおおお お!!!っ!!!(ツイッターより)
このツイートが好きで、なぜか映画のあいだ何度か思い出してました。
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