(火田詮子舞台活動50周年記念誌)実録 火田詮子

『実録 火田詮子』(火田詮子舞台活動50周年記念誌)を読んだ。先日みた演劇の物販で買ったもの。そのときに思い出したんですが、発行された頃にもいつも入っている古本屋さんに積んであるのをみかけてたなと思って、奥付を確認したら発行人がそのお店の店主のおじいさんだった。そういえばそういう話も聞いていた気がしてきた……。今回ちょうどわたしが舞台に関心をもってきたときに改めて手に取る機会があったのもめぐり合わせですからねという話です。

内容はそのおじいさんが元小屋主である劇場でも活躍し、また先日見た舞台にもよく参加していた火田詮子さんを交えたインタビューを中心にいくつか寄稿文もまとめられていて、読んでいると一人の俳優を中心に70年代以降の当地の演劇シーンについてもおぼろげながらつかめる気がします。演劇についてほとんど触れてきていないわたしでも見たことのある、聞いたことのある話題や単語がところどころ登場しています。レコード屋でみかけた『超・夜間飛行』のLPが先の劇場で活躍した劇団によるものだったり、古本屋でおすすめされてみた『高丘親王航海記』の人形劇の演出家の方がでてきたり、それに今度高校の同級生が出演する予定の劇は同作に過去火田さんも出演されていたり、いつもいく喫茶店の亡くなられたマスターが所属していた劇団の公演についてだったり、さらに近くのライブハウスのひとたちも登場するといった感じで、わたしが数年間触れてきた世界のほんのちょっと横にあったんだっていう、初めての話ばかりなのにするするとわたしに入ってくる感じがあって、ある。というか逆になんでこれまで触れてこなかったんだという気さえしてきた。

2025年5月17日

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