アナザーラウンド

タイムラインでも言われてましたが、原題のDRUKの方が良いタイトルだし、予告もそちらのほうが良かった。というか日本版の予告にカルメンが流れてるんですけどそんなシーンなかった気がします(そんな技使って良いんだ……)。

冴えないおじさん高校教師4人が「血中アルコール濃度0.05%を保つと仕事もプライベートもうまくいく」という仮説の証明に挑む、という名目でお酒を飲み続ける映画です。ただこの部分だけを強調する国内の予告はイマイチで、お酒を飲むこと、一方でアルコール依存の話ではない、いや(アルコール起因の)離婚や死なんかもあるし間違いなく依存の話なんですけど、描かれるのは中年の一年なんだよな。

労働中にお酒を飲み続ける生活といえばわたしがツイッターをちゃんとはじめた頃に、タイムラインの方がお酒を飲んで出社したり、ボトルにお酒を忍ばせたりしていたことを思い出した。あのとき感じた自分との近い(お酒についてではなく社会との)距離感みたいなものを意識してみていたところがあります。

冒頭のシーン、仕事や人生のうまくいかなさをマッツが語るシーンがめちゃくちゃ良かった。この映画はマッツの涙目で描かれた映画だってくらいです。彼ら4人はお酒を人生の補助にすることを決めて突き進むわけですが、お酒がなくてもおそらく上手く行かなかったであろう姿で描かれていて、だからこその良さがあったと思います。そのうえで最後にお酒を飲みながら踊るシーンはやっぱり良かったね。ファニーな映画、あるいは道徳的な映画にしきらないところ、ただその距離感がゆえに何か掴みきれない雰囲気が常に残るんですが……。ある種の北欧作品群にある(と勝手に偏見をもっている)設定というか内容がおしゃれなあの感じはまちがいなくあるんですが、それでも憎みきれない映画でした。いやマッツの涙目なんだよな、そこがめちゃくちゃよかった。

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