気力を失った主人公が西成で会った面々とひとときを過ごす内容、これは特別な話ではないんですが、映画になったときの画面と音の使い方がよくて最後まで引き込まれてしまいます。何かわからない音を一瞬だけ入れてうまく次の場面につなげるのがとても上手い。走るシーンや土川の家、秘密基地のシーンとかが特に印象に残っています。
終盤、橋を渡って戻ってきたあと、子どもたちからおっさんって呼ばれるところがまた良いんだよな。世界における立場が橋を渡る前後で変わりつつ、その変化が自分のなかではひとつづきになっているお話をうまく運ぶので良いね~となります。
舞台挨拶では「演者が他作品に出演する関係で髭を剃ることになってしまって、その待ち時間が発生したので撮影に半年かかった」というような話が出ていましたが、そういえば季節感というのがあまり出てこない不思議な雰囲気だった気もする。
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