めちゃくちゃ良かった……。いや、少し前にタイムラインで紹介されていたんですが、いま映画何かやってたっけって上映作をネットで調べてたらちょうど上映していたのでみにいった感じです。
最近映画をみにいくハードルがめちゃくちゃ低くなってるのを自分で感じています。レイトショーをやらない時期が続いていたので複数の映画館の会員になって結果的に昼間の上映が割安になったのもあるし、やっぱり劇場で観られるうちに劇場で観たいというのもあるし、そしてこれは正しさはないんですが時間が上手く埋められるというのあるのかもしれないね……。わたしは一人の時間に部屋でいると気が滅入ることがあるのでここ数年は休日にできるだけ外にいるようにしているんですが、そういうときに映画館がピッタりはまるんだよな。冗談でなく救われてるところがあると思ってます。
それで内容なんですけど、とにかくこの主役2人がめちゃくちゃ良いんですよ~。雇われ殺し屋をやりつつ、バイトの面接を受けては落ち、あるいはバイトに受かってはクビになり、一緒に御飯を食べて、ゲームをやって、たまに喧嘩をしながら一緒に暮らすなかで、人を殺す。
この両面を異常な密度で仕上げてきた映画でこれは完全にやられてしまいました。喋り方がまた良いんだよな。少し舌足らずだったり早口だったりデカすぎる声だったり、映画として聴き取りやすい喋りじゃないのにスラスラ頭に入ってくるんだよな。そしてこれはなんでかというと、誤解を恐れずにいえば(そしてツイッターだと誤解されそうなので書けないんですが)、Vtuberの配信を少しだけ頭に思い出しました。人の暮らしで今までだったら知らなかった部分、部屋でのちょっとした仕草というか物音だとか、何気ない習慣だとか、そういうものがここ数年で一気に身近になってきた所あるじゃないですか(別に2人がVtuberをやっている設定ではないです)。そういう文脈上にあります。(本当に?)
社会でうまくやっていけないから高校出て殺し屋をやってるのに雇用主からは自立した暮らし、バイトもやって、つまり一般的な社会で溶け込むことを求められる。2人の適正はやっぱり少しずつ違っていて、特にまひろがそこに直面する姿と、それでも社会に馴染むことではなくて2人がお互いのことを大事にする方向に進んでいくのはかなり刺さるものがあったね……。お互いに軽口を叩いたりしながらさ~。
いや、わたしが好きな漫画に『わたしはきみが「自分にはこんなこともできない」とか言ってまた泣くのは絶対みたくないのよね!』ってセリフがあって、そこには実際に泣いているシーンは一切描かれていないんですが、こういう社会性とは別に2人の関係が補完でも依存でもなく、ただ独り立ちする支えになってるというかそういうのがね。わたしは書類の提出に遅れたときや、大事な電話ができないとき、映画に連続して遅刻したときや、そもそも予定の時間を間違えていたとき等々なにかあるたびにどうしても「自分にはこんなこともできない……」ってなってしまうから、特にこういうところに弱いのかもしれない。かなりぐっときてしまう……。
ところで、一方のアクションがまたとにかくすごいんです。これまでアクション映画を観てきていないので他と比べた凄さはわからないんですけど、とにかく手数の多さというんですか、すべての短い動きが連続しているというか、(派手なアクロバットじゃなくて)格闘でこんな身体のうごき方するんだ……っていうのがずっと続くので目が釘付けになってしまう。たとえば中段の横殴りをしゃがんで躱したあとに、さらにその下の殴りを身をかがめて躱し、その更に下ももう一段かがんで躱す瞬間とかめちゃくちゃかっこよかった。いやこのあたり、主演の2人やアクション監督の方がすごい!というのはフォロワのnote記事で教えていただいたとおりなんですが、いやそれにしてもまひろを演じる伊澤彩織さんめっちゃくちゃかっこよかったな……。
そんな2人が最後、一緒にヤクザの元へ向かうシーンはめちゃくちゃ笑顔になったしこの映画がずっと続いてくれ……って本気で思ってしまった。上映時間24時間くらいやってくれてもいいのに。いやー今日おやすみをとってよかったな、映画をみれてよかった。
なんて思いながらパンフレットを買って部屋で開いたらドラマCDが入ってて声出して笑ってしまいました。需要を把握しすぎているでしょ。二人のやり取りを濃縮して取り出したドラマCD、この映画の特典媒体としてパーフェクトなんだよな。
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