最終章3部作の最後。めちゃくちゃ盛り上がるような、そういう刺さりかたはなかったんですが家に帰って振り返りながらしみじみと良かったな……ってなるようなそういう作品です。
ARIAのあらゆるエピソードで繰り返し描かれてきた、世代ごとに引き継がれるもの、繰り返されること、っていうのを劇的じゃない形で描かくこと、それがこの最終章でなされたことがわたしはすごく好みなんですよね(もちろん過去にみているシリーズの山場ではぼろぼろ泣いたし、今回の愛華の過去エピソード自体もとてもよかったです)。
水の三大妖精の世代、灯里たちの世代、その前、後の世代、ネオ・ヴェネツィアを開拓した世代の思い、そういう脈々と伝わる思いをシリーズでは延々と描いてきて、この最終章ももちろんその流れのなかではあるんですが、すでに成長した灯里たち(本作では愛華)の回想が記憶の振り返りではなくて誰かが誰かに伝える形で描かれること、だからもう過ぎたこととこれからのことがドラマチックな感情の揺れではなくて、それでも確かに一つの区切りをつけて一人で確かに踏み出していることが、真っ白な一日が始まることがこんな一挿話でさらっと描かれてしまうARIAの力強さがわたしにはとても眩しくて……。
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