Afronauts

戦後の二極対立から生じた米ソ間の宇宙開発競争下、両国の月面着陸に先駆けようとした国がアフリカ南部に在るザンビアでした。ザンビアの小学校教師で国立科学・宇宙研究・哲学アカデミーの所長でもあったエドワード・ムクカ・ンコロソは、1964年、12人のAfronautsと名付けた宇宙飛行士を、回転するドラム缶に入れて坂を転がしたり、タイヤのブランコで無重力空間を作りだすと言った訓練を行いました。その中には17歳のマタ・ムワンバという少女がいました。ンコロソの計画は、銅とアルミのロケットでムワンバと猫2匹を月に送り込み、「原始的」な火星人へのキリスト教の布教活動を行い、ザンビアが「惑星空間の第7天国の管理人」になるという壮大なものでした。(略)(パンフレットより)

舞台になる月面のような砂漠、それに月に行ったNASAの映像。どこか夢物語みたいな、明らかに悲劇で終わることが現代の目線ではわかるような、それに登場人物がみんな儀式めいている、そんな状況の中が本当に行われたプロジェクトであったこと。最後に爆発した宇宙船の残骸に見当たらないマタを探す母に対して『彼女は月に行った』で終わるセリフ。どれも非現実的すぎて、それが実際にあったこととのギャップを想像させてウワーとなりました。現在はこれの長編に向けて取り組んでいるそうです。なお、登場する猫たちについてはエンドロールで『撮影の中で動物は傷つけられていない』旨のクレジットがされていました。よかった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA