名もなき者

1960年代初頭、後世に大きな影響を与えたニューヨークの音楽シーンを舞台に、19歳だったミネソタ出身の一人の無名ミュージシャン、ボブ・ディラン(ティモシー・シャラメ)が、フォーク・シンガーとしてコンサートホールやチャートの寵児となり、彼の歌と神秘性が世界的なセンセーションを巻き起こしつつ、1965年のニューポート・フォーク・フェスティバルでの画期的なエレクトリック・ロックンロール・パフォーマンスで頂点を極めるまでを描く。公式サイト

めちゃくちゃ良かった……。ボブ・ディランの伝記ということもあって作中はほぼ常に音楽(演奏、ラジオ等)が流れており、ライブシーンも多い。いや、ティモシー・シャラメかっこよかったな……。

ライブ、特に中盤以降のフェスの場面では舞台をみる観客の、特にエル・ファニングの表情をしっかり映している(そういう感情まわりの表現がある)んですが、この周囲の表情をしっかりみる習慣がクライマックスのライブで一気に意味を持ってすごかった。ここまでのライブでまわりの観客の表情をみることを繰り返していたので、そのライブで周囲の人たちがどういう受け取りや応答をしているかをしっかりとみるように仕向けられていたんだよな。それに当たり前なんですけど音楽が最高なんですが、歌詞をしっかり場面や物語に当てはめるのがめちゃくちゃ丁寧なんですよね。

(細かいところでいうと冒頭に登場した『Cafe Wha?』の看板をみて、サタケ氏のソロCafe Wha? の元ネタってディランの演奏したクラブだったんだ……ってようやく気づいた場面もあった。)

こんなに良いならもう一度みたいなって思ったくらいよかったな。それはそれとして、途中一瞬画面が歪んでみえた気がする瞬間が何度かあって、それは今日から付けているコンタクトレンズのせいなのか、そういう仕様だったのかはわからないです。映画の予約をする前にこの映画って別の劇場でドルビーシネマでも上映しているのに気づいたんですが、こういう映画こそ少し高くてもそっちでみたほうが良かったかもしれないです。上映後の喫煙室で、近くで話をしていた人たちの一人がこの映画の最後のライブがあったフェスを卒論のテーマにしていたってことを話していてそんなことあるんだってめちゃくちゃ気になった瞬間もあった(混んでいたのですぐに離脱した)。

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